課長にああ言われたら、大人しく待ってるしかない。
椅子に腰掛け、トントンと忙しげに机を指で叩きながら、ホワイトボードの文字と開いた手帳を見比べる。
同じ銀行の社員が関わる事件がほぼ同時に起こったことに、何かしらの因果関係があると風間は睨んでいた。
先の事件の担当者が戻っての報告如何によっては、自らもK銀行へ足を運ぶつもりであった。
さすがに入れ違いで行くのは相手方の迷惑になるだろうし、それに少し間を置いた方が思い出すこともあるだろう。
しかしじりじりと待っているのは性に合わない。それにK銀行の前に、確認しておいた方がいいことがある。
風間は立ち上がって羽田に声を掛け、もう一度榛瀬家へと向かうことにした。



