やれやれと課長は頭を振りつつ、深く息を吐いた。


「まぁ確かにおかしいと言えばおかしいのかもしれん。
だがただの偶然じゃないのか?
社員二人の死と、たかが三歳の子どもに一体どんな繋がりがあるって言うんだ? ん??」


「それは……」


 言葉を返せないでいる風間にもう一度深い溜め息を吐き、課長は瞳から力を緩めながら口を開く。


「話はそれだけか?」


 課長はじっと風間を見つめていたが、むっつりと黙り込んだ風間から目をそむけると、再び手元の書類へと視線を落とした。


「……まぁ、あとで持地と小峰が戻ったら呼ぶよ」


「──有難うございます」


 風間は頭を下げて礼を言いはしたものの、どこか釈然としない表情のまま、自分のデスクへと向かった。