それから映画を観、というか、付き合わされ、ランチを食べ、というか、付き合わされ、常に両脇を固められ、腕を思いっきり伸ばしたい状況が続く。
「アイス買うてくるわ」
正樹が居なくなると、怒り肩がおさまる夏美。
「なに緊張してるのよ。いつも普通に喋ってるじゃない」
「2人きりだとダメなの!」
「わたし、毎回毎回付き合うの嫌だからね」
そう断りを入れた時[奇跡]が起こったのだ。
「ねぇ、彼女」と。
「へ?」
振り返ると、軽そうな2人組が。ギャルを絵に書いた2人組。たとえ2人の四つの目が全て、隣にいる夏美に釘付けだったとしても、今日を(人生初ナンパ)と記念しよう。
「俺たちと遊ばない?」
「ハァ?」
それだけ言うとソッポを向く夏美。
「ねぇ、行かない?行こうよ、どうせナンパ待ちだろ?」
後半は、わたしに向かって投げかける、無神経さ。ここは夏美に習って顔を背けると、
「んだよ!ブス‼
そう吐き捨てた。しかも夏美に‼
ゆ、許さない‼
一歩前に進み出た時、
二歩前に進み出る者が、
「誰がブスやねん‼」



