「おう…」


校門で待っていた朝倉先輩が、軽く手を上げたがそのまま[停止]する。


「お前、それ…」

「たとえ1gでも減らしたかったんで、バッサリ切ったんです」

「そっか」

「変、ですよね?」

「いんや、よく似合うぜ」


先輩が鼻をかきながら言った。


っしゃあああああ‼‼‼


跳びあがりたい気持ちを抑える。


肩までの髪の毛を切る。


女子なら共感してもらえるだろうが、それは大変な決断であった。首があらわになるし、顔の大きさが隠しきれない。


だが、いざ手直しのきかない長さになると、フッと力が抜けた。だって、もうどうしようもないし、新しい自分をスタートできる気がしたから。


「じゃ、いいか?」


少し強張った声で朝倉が促す。


先輩も緊張してる?


「はい、お願いします」


そう答えた。


いざ、決戦の地へ‼