「真琴、空手?」


悠太もその一人であり、遠巻きに眺める生徒たちの中、真っ先に駆け寄ってきた。


「違う、テコンドーだよ」

「へぇ、習ってるんだ。凄いじゃん」

「まぁね」


この間、習ったばかりの手刀を切り出す。


「めちゃくちゃ強そうなんですけど」


ビビった振りをする悠太の鼻先に、突きをお見舞いしてやる。


「面白そうじゃん」

「習う?悠太なら個人レッスンしてあげるよ、て、わたし、まだ人に教えちゃいけないレベルなんだけど。ダイエットと組み合わせてみようかなって。みんな、思った以上に楽しそうだし」


振り返ると、キャアキャアとバランスを崩して、足を上げている。


[ウォーキング&テコンドー]


メリハリをつけるには、いいコンビかもしれない。


「あ、呼んでるよ、野球部さん」


悠太は笑って走っていく。が、途中で砂で汚れたユニホームが振り返り、


「明後日、七夕祭り行こうぜ!またメールする‼」