澄み切った空の下、気分転換に外周を歩く。


ダイエットの列は更に延び、部員だけでなく、ほんの少し痩せた?野崎に触発され、顧問が増えようとしていた。


「あの雲みて!魚みたい‼」


青いキャンパスに流れている、細長い雲を指差す。


やがて校庭に戻ると、


「ちょっと10分だけ時間を下さい‼」


皆をグラウンドの隅に引き連れ、等間隔で並ばせた。


「ちょっと試しに突きをしませんか?10分間、集中して、こう、突きます‼」


右手を突いてみせると、


(オ~‼)


声が上がり、


物珍しさも手伝って、それでも気恥ずかしい突きがあちこちで披露される。中には「キィッ!」と奇声を上げて…。


「野崎先生、呼吸はスッ‼です。みんなも呼吸と足、拳、この3つを意識して‼」


新米講師真琴、


皆が楽しんでいるので、次は蹴りを教えていく。


「明日は体育館で柔軟しましょう!ビックリするくらい足が上がるようになるから‼」


かかと落としを決めながら、


スッスッスッ‼


新しく、かつ規則正しい呼吸の大合唱がグラウンドに響き、ボールを追う手が止まる、生徒たち。