「先生ですよね?」


「まぁ、そう呼ばれるけど、あんたに言われると鳥肌立つわ」


「またまた失敬ですけど」


「なんやのん、急に」


「いや、わたしも、将来、こんな仕事がしてみたいなって」


「あら、憧れてもうたん?いややわぁ、この子。そない目えキラキラさせてあたしのこと見やんでも、って、あんたなんで目え閉じてんねん!」


「調子に乗るからですよ」


「ま、あんたやったら、できるかわからんな」


「お墨付きですか?」


「自分できく?とにかく、一番大事なんは会話。コ、コミニンケイション」


「無理に横文字使わない」


「はい、すんません。て、これやない。どっちが相談しにきとるかわからん、そんな雰囲気作ったげんのよ。話しやすい空気をな。人間、胸につかえたもんが取れると、それだけでスッキリするで」


「わたしもそう思います。なんだか才能あるみたいで」


「はいはい」


「よかったら仕事、教えてもらえませんか?」


「別にええけど、あんたそない生易しいもんやないで。ちゃんと大学も行って資格取らなあかんし」


「べ、勉強ですか⁉」


「当たり前やないの」


「なんかこう、裏口っぽいのは?」


「そんなもんあらへん!人の相談乗るのに、コソコソしてたらアカンやないの。今度、講演会あるから、ついておいで。とりま、アシスタントにしといたるわ」


「時給おいくらですか?」