「え~」


一つ咳払いしたのち、


「な、なんじは、え~、新婦を、永久に?永遠?やだ、なんだっけ?」


すると、


「お前の言葉でいいんじゃないか?」


ケーキを抱えた朝倉が言った。


体の凝りが、嘘のように消えていく。


ありがとう、と頷き、改めて咳払い。


「え~、まずは、アンタ。アンタは頑張って高校を卒業して、お父さんと左官屋の仕事をして、美鈴さんと、産まれてくる赤ちゃんを大事にすること。喧嘩もしない、すぐに怒らない。もうお父さんになるんだから」


「うっせ~なぁ」


しかめっ面で頭をかく。


「それから、タバコもやめなさい。タバコ買うお金で、ミルクを買いなさい。体にいいことないんだから。分かった?」


「分かったよ‼」


「あ、それから…」


「まだあんのかよ!勘弁してくれよ‼」


「ずっと、美鈴さんのこと好きでいなさいよ。分かった?じゃないわ、誓いますか?」


グッと睨みをきかせると、微笑む美鈴の顔を見た一馬は、


「誓いますよ」