秘密裏に進められる計画。


主謀者のわたしは、


「ちょっと来てもらえます?」


今回の主役をソッと呼び寄せた。


「どこに行くの?」

「ちょっと…」


言葉を濁し、
空の教室に。


いや、生徒は帰ったが、その教室には、一様に笑顔を浮かべた共犯者が迎えてくれた。


「どういうこと?」


皆に囲まれて問うのは、


神田美鈴だ。


「時間がないから急いで」


みなが同時に頷く。まるで、わたしが幸せになるのだ、という含み笑いを浮かべて。


ここは男子禁制の園。


「メイクは任せて。先生、こう見えても化粧には自信あるの」


野崎が、事の成り行きについていけない美鈴を椅子に座らせる。


「でも先生、ナチュラルでお願いします。で、石川さん、ドレスはいい?」


「うん、お腹のことを考えて、ワンサイズ上にしたから」


軽くピースサインで答える夏美。


同じくVサインを出そうとした時、


「放せ!放しやがれ‼」