「お前なんやねん‼なんで昨日こうへんだんや?」


開口一番に怒鳴り、怒り肩で詰め寄ってくるので、


「は、花村君が、も、盲腸で」
(す、すまぬ!)


「盲腸?ホンマか?大丈夫なんか?」

「大丈夫大丈夫。あの子、丈夫だから。で、昨日どうだった?」

「どうもこうもあらへんがな。事あるゴトに突っかかってきよるし、そう思たら急に素直になるし、なんやあいつ、天然か?」

「いい子でしょ?」

「ま、黙ってたら可愛いけどな」


ボソッと言った。


早速、夏美に報告してやろうか。


「でさ、お願いがあるんだけど」

「なんや?付き合ってほしいんか?嫁か?飛び越えて嫁になりたいんか?」

「お母さんに頼みたいの」

「おかん?姑になって下さい、て?」

「違うわよ!あんたと、あのお母さんじゃ、完璧、割り勘負けする人生じゃないの」

「お前やったら、きっちり三等分やわ。俺、すでにお前におかんが、かぶって見えるわ」

「や、やめてよ!冗談じゃないわ‼」

「で、なんやねん?」

「ああ、そうだわ。前にフードコーディネートの資格持ってるって言ってたわよね?」