「ラスト一周です!」


真琴が知らせると、


「え、もう一時間?」
「喋ってたら早いね」
「これなら続くかも」


口々に嬉しい声が聞こえてきたが、約一名、


「1kgは痩せたかしら?」


「ですので先生!体重は計らないように‼」


「で、でも細井さん、減ってたら先生、俄然やる気になるわよ」


「やる気になって無理しては、元も子もありません!計るのは一ヶ月後にして下さい!勝手に計った人は退部してもらいます‼」


高々に宣言すると、


「あなた変わったわねぇ~、前はもっとこう、おとなしかったのに」


「痩せると変わるんです!それより分かりましたか?」


「分かったわよぉ~」


ない首をすぼめる野崎を見、絶対に計るだろうと確信したが、そこは大目に見よう。


一人で海を眺め、好きな音楽を聴きながら、もいいが、こうして皆と話しながら歩くと、やはり驚くほど時間が経つのが早い。


すると、


トントントン、


足元に転がってきたボール。