「でも石川さん、あなた別にダイエットしなくても?」


素朴な疑問に、ウンウンと頷く一同。


だが、誰もが憧れるスタイルの持ち主も、


「それが色々、大変なのよ。事務所にはまだダイエットしろって言われるし」


「モデルも大変ね」


「だから入るから。さっさと始めて」


冷たく言い放ち、行き場を失った女子の団体に向け、


「あなたたち、いい?細井さんは少し前まで、ブックブクブックブク太ってたけど、ここまで痩せたのよ?」


「ブクブクでよくないですか?」


わずかな抵抗もスルーされ、


「一つだけ確かなことがあるわ。細井さんは、適当に嘘を言うような子じゃないの!だから私は信じるわ。あなたたちも、どうするのよ!」


そしてさらに、


夏美は髪をかきあげ、


「私、撮影の仕事が入ってるの!早くしてよ‼」


そう急かすと、[撮影]が効いたのか、一人が席につき、また一人が戻り、結局、誰一人、教室から出ていくことはなかった。


感激で胸がつまる。


いよいよダイエットの始まりだ‼


ありがとう、石川さん‼


そう友に笑いかけたが、


「ちょっと、なにニヤニヤしてんのよ。早く始めてよ‼」