待った。
時間になり、
時間を過ぎ、
待ち続けた。
「書き間違えたかしら?」
プリントを確認し、
更に待った。
「僕、ちょっと見てきます」
太志が教室から出、戻り、首を振り、途方に暮れながら、待った。
しかし誰も来ない。
静まり返った教室に、肩を落とす。
部員ゼロの部長と副部長には、互いを励ます力も残されていなかった。
(ダメだったんだ)
言葉なく、机に配られた間抜けなプリントを、一枚、一枚、回収する。
「でも大丈夫よ。花村君には教えてあげるから、ダイエット」
「細井先輩…」
「いいの、なにも言わないで。なんだか惨めな気になるから」
「先輩、あ、あれ」
もう、なによ‼
花村を睨む。
口をポカンと開けて、教室のドアを指差す花村を。
ドアが開こうとしている‼
しかも、
「あの~?」