ソッと抱きしめられ、


「忘れません」


耳元で囁かれる。


「わたしも忘れないよ。ありがとう」


気持ちを込めて答える。


……


……


……


そ、そろそろ頃合では?


そう思い、体を離そうとしたのだが、


ギュッ、


更に力強く抱きしめられる。


あまりの力に、なすすべがなく、ただ男の力に圧倒され、次第に周囲もざわつきはじめ、


「ちょ、ちょっとマーク?」


小声で訴えるも、


ギュウ~!


胸が圧迫され、体が一つになってしまうのではないかと思った。


その時、


同時に2つの声が響き渡った。


まず一つは、


「いつまでギュウギュウしとんねん‼」