〜二度目の空港〜
やはりここは[特別な場所]なんだと思った。
寂しさと輝き、
全く相反する感情がひしめき合った、旅立ちの場所。これからも何度となく訪れるだろうが、決して慣れることはないだろう。
そうわたしは思った、
マークの泣き笑いの顔を見ながら。
「みんな、サンキューです」
見送りに来た面々を見回す。
クラス総出といっても過言ではない。マークの愛らしいキャラは、わずか二週間でクラスメイトからソウルメイトへと、日本人の気持ちを変貌させたほど。
花束やら色紙やら、贈り物が手渡される。
その度に声を上げて喜びを全身であらわすマーク。日本人にはない表現法だが、見習わなければならない、喜びの形でもあった。
「あ、これ良かったら」
おずおず?と前に歩み出たのは、花村太志であり、マークが一瞬ビクッと体を震わせる。
「喋ったこともないですけど」
「お~!これは相撲レスラーのカレンダーではないですか!」
筒状のカレンダーを広げて、興奮気味に叫び声を上げる。
「会員しか買えないんだ」
少し自慢気に言うので、
(やっぱり痩せないほうが、よくないですか?)
心の中でツッコんだ。