〜1本目〜
「マーク、先に投げさしたるわ」
正樹に順番を譲ってもらったマークは、静かに構える。
静寂が広がる中、
ボールを放った。
…スポン‼
音が聞こえるくらい、見事にリングに吸い込まれる。
「なかなかやるやんけ。ほな、次いかしてもらうわ」
言うが早いか、軽く投げたボール。
こちらも見事にリングに入った。
やはりうまい‼
「これは勝負ありね」
腕組みした夏美が言う。
朝倉先輩がまだじゃない!と口に出かけたが、当の朝倉はぎこちない手つきでドリブルしている。
一旦、構えたものの、なかなか投げる様子がない。
すると朝倉は、
「これ、足で入れてもいいか?」
「サッカーちゃうねんで。ま、足で入るんなら見ものやけどな」
半笑いの正樹をよそに、
朝倉は足首にヒョイとボールを乗せると、そのまま高く足を上げた。
…スパン‼
ボールはリングに吸い込まれた。



