「ネコ好きなんだ?」 「…」 「オレも好きなんだ」 「…」 「へ~、リンゴ食うんだ」 こっちを見て、笑う男子。 笑顔を返すどころか、サッと目をそらせた。 猫だけが呑気に鳴いている。 気まずい。 変な沈黙。 隣で男子は、口を鳴らして猫を構っている。 その横顔をチラリと盗み見た。