「だ、大丈夫よ。それにもし無理だったとしても、花村君のダイエットは、わたしが責任持って引き受けるわ」


胸を叩いて断言すると、


「細井先輩…」


「なにウルウルしてるのよ、や~ね。でも花村君、急いじゃダメよ。ゆっくりいかないと」


「はい。先輩、僕、今度ちゃんこ御馳走します!」


笑うと、顔中の肉が盛り上がり、目と鼻が埋もれる。


それがまた可愛らしく思えた。


とりあえず、今日のノルマは配り終えたので、教室に戻ろうとした、


その時、


「真琴、一緒に帰らへん?」
「真琴、一緒に帰りましょう」


これまた見事に両脇からのお誘いが。


あまりのタイミングに、


(仲良いんじゃないの?)


そう勘ぐるが、当の2人は、そっぽを向く。


同じ頬に絆創膏を貼り、同じ箇所に引っ掻き傷が。


「はよ帰ろうや」
「早く帰りましょう」


両脇から引っ張られる。


が‼


「先輩は僕と帰ります‼」