それはなぜか…。


目の前の彼が力を入れているから。掴んで離さないからだ。


ピンと張り詰め、
今にも破れそう。


ま、まさか?


ゆっくり彼を見上げると、


ホッペを真っ赤にして言った。


「これ、女子しか入れないんですか?」


「え!そんなことないけど、あなた、何kg?」


そう尋ねると、恥ずかしそうに俯き、


「……148kgです。太り過ぎですか?」


「そんなことないわよ!大歓迎よ‼」


歓喜の声を上げると、パッと顔を輝かせる。


「あなた部員一号よ!あと19人必要なんだけど」


「じゃボク、手伝います‼」


言うが早いか、チラシを半分奪い取っていき、ギョッと身を引く生徒たちに配り始める。


そして生徒たちも、彼のあまりの威圧感に受け取らざるをえず、瞬く間にチラシは無くなったのだ。


「ありがとうね、助かった」


彼に駆け寄り、


「あなた一年生でしょ?名前は...」


「細井さん!大変よ‼」