「ま、こんなもんかな」


一人、満足気にダイエット部への勧誘チラシを眺める。


あまり色がないと女子には受けが悪いし、なにかイラストもあったほうがいいだろう。そこは、スーパーポップ歴一年のなせる技を駆使するのだ。


書き上がったら、野崎が職員室のコピー機を使っていいと言っていた。


「なにこれ?」


後ろからパッと手が伸び、


「ダイエット部?なにそれ?」


「あ、石川さん。良かったらあなたも入らない?」


言ってから、その必要はないのだと気付いた。


「食べなきゃいいじゃん」


「だから、それは逆効果なの。入部がダメなら、せめてチラシ配りてつだって....」


「あ~!ダメダメ!雑誌の取材あるから」


と、チラシを押し返してくる。


「なによ冷たいわね。それでも友達?」


チクリと痛いところを突いてやったが、狼狽えるどころか、強い口調で、


「はっきりと言いたいこと言うのが友達でしょ?」


チクリとやり返された。


「ふん、まぁいいわ」


コピーに向かい、


いざチラシ配り出陣‼