「こないだ食あたりにあって、もしかして痩せてるかなぁ、て、保健室で…」


「乗ったんやね?で?」


「2kg減ってて」


「で?」


「でって…」


「で、やる気なった?たいして我慢もせえへんのに2kg落ちてたから、ちょっと頑張ってみた?食べたいもんをちょっと我慢して、運動量を増やした?せやないと、いくら食あたりでも3kgは減らへんよね?また夕飯でも食べやんとくん?食べたものを吐くん?」


チエの問いかけに、返す言葉がなかった。


その通りだったからだ。


昨日、夕飯を食べていない。


食べるのを我慢しているのだ。


「このままいったら、また今までと同じことの繰り替えしやで。体重が減ったから、ちょっと無理をする、いらん我慢をする。ストレスがたまる。イライラする。もったとしても三ヶ月、頑張って半年もったとしてもアカンのよ。ダイエットは一年かけやなあかんのよ」


「一年…」


「一年、続けやな意味がないの。そのためには無理をしたらアカンの。我慢もしたらアカンの。ダイエットは痩せることやないんよ。前にも言うたけど、太りにくい体に変えることなん。このまま地道に一年続けたら、絶対に太らへん体質が出来上がるから」


チエの言葉が、ジワジワと心に染みる。