いいように笑われている気がしたが、中睦まじくパンを食べる2人が、微笑ましくもあり、羨ましくもあった。


そこへ、


「真琴、やっと見つけました」


マークが笑顔でやってくる。


また笑顔が"カッコいい"から厄介だ。


「お、男ができたか生意気に」


「国際派ね」


また2人が笑う。


「いえ、真琴はフィアンセです」


そう追い打ちをかけるもんだから、からかいの的になるだろう。


マークの腕を掴み、さっさと屋上を後にする。


「もう、冗談やめてよ。ノージョーク!」


「いえ真琴、ジョークちがいます。真剣です」


青い目に見つめられると、言い返すことができない。


「真琴、日曜日、デートしましょう」


「え、でも日曜日は…」


バイト&テコンドーだ。


だが、


「思い出に、お願いします」


そう言われれば、


断ることができなかった…。