「ごちそうさま」


三人は手を合わせたが、


「師匠、それはなんですか?」


ビニールにくるまれた、黒い塊。それは正樹にも。


「これはレーズンやねん。食うとビチグソ出るんやけど、実は俺、苦手やねんな」


「あ、わたしもダメ」


言いながら、それでも飲み込む。あとに続く正樹。


1.5リットルの水を飲み干すのも、2人は同時だった。


「俺ら、めちゃ気ぃ合わへん?」


正樹がすり寄ってくる。ので、手で追い払い、


「合わへん合わへん」


「おぉ、もう関西弁できとるやんけ。いつでも嫁に貰ったんで」


「遠慮しときます」


「せやけど、運命やな」


「は?」


「ものごっつ運命やん!」