イケメン&わたし&アメリカ人


奇妙なトリオは常に一緒に、というより、両脇を挟まれて逃げられない!


「いただきます」


お弁当箱を開ける瞬間は、一番の楽しみだ。


[なんでも好きなものを我慢せず]にを看板に掲げたダイエットだが、わたしは母に頼み、野菜中心で油物は控えたメニュー。ご飯も玄米だった。


ただ、量は多い。


「なんや料亭の弁当みたいやな。色味が薄いやんけ」


そう言う正樹は、


フライやらタコソーセージにチキンライス。


「なんだかお子様ランチみたいじゃない」


「おかん、栄養士とフードコーディネーターの資格もってんねんで」


「随分と嬉しそうに話すわね」
(マ、マザコン?)


「おいアメリカン、お前の弁当はなんや?サンドイッチか?」


「今日は手作りしました」


と、胸を張って開けたアルミの弁当箱には…。


「な、なんやそれ?」


正樹だけでなく、わたしも開いた口がふさがらない。


「日の丸弁当です」


「梅干しだけじゃないの。これ、大根の煮物と油揚げ、ブリの煮付けもあげる。どれも日本の有名な食べ物よ」


「ほしたら俺も、だし巻卵やるわ。カツオがきいててフワフワやで」


「おぅ、日本人、優しいです!」