鞄から取り出したもの、それは、


「…アルバム?」


「急いで作ったから」


一緒に覗き込む。


その中には、短いが濃厚な、2人の歴史が一杯詰まっていた。


「あ、これ中1の時。あたし、自分が1番大きいと思ってたから、あんた見た時ビックリしたんだよね」


「わたしだってビックリしたわよ」


「あ、リレーの時の。あんた意外と足速かったよね」


「友加里の砲丸投げもあるよ」


「やだ、凄い顔~。この写真はなくない?」


「次は修学旅行の」


「枕投げして、あんた鼻血出したわよね」


「それはあなたが投げた豪速球ですけど?」


「あれ、そだっけ?」


「でも楽しかったね」


「そだね」


アルバムをめくりながら、友加里は黙りこくった。


今、同じことを考えているのかな。


"楽しかった"


それは、


"2人でいたから"