「やだ、そんなこと日本人でも言わないわよ」


「ボクの名前は、マークです」


「わたしは、真琴」


「マコト?ジャパニーズギター?」


マークが問う。


その青い瞳に吸い込まれそうだ。


「よ、よく知ってるわね」


先ほどとは、また違った"ドギマギ"が。


「日本大好きです。日本の勉強に来ました」


「そっか、えらいね」


言いながら、友加里のことを思った。


友加里は一人で異国の地に旅立とうとしている。


寂しさが胸をついたが、


「あ!プレゼントの準備しなきゃ!」


慌てて立ち上がる。


「あぅ、また会えますか?」


「うん、教えてしんぜようぞ」


「しんぜ、ようぞ?」


「ううん、なんでもない。またね」


"バイバイ"と手を振り、マークと別れた。


それは、


とても短い間の別れだった…。