ハッと振り返る。
それは意外な人物だった。
「…悠太」
「なんか、飛び出してったんが見えたからさ、ビックリして俺も飛び出してきちゃったよ。なんかあったのか?」
鼻をすすりながら、わたしは悠太に思いをぶつけた。
「そら寂しくなるな」
「ね、ひどいでしょ?わたしに黙ってるなんて。ずっと友達だと思ったのに。友達なら、一番に言うでしょ?」
悠太は黙って聞いている。
否定も肯定もせず、わたしが行きどころのない気持ちを全て吐き出してから、ボソリと言った。
「すごい好きなんだな」
「え?」
「そんなに怒るってことは、好きな証拠だろ?」
悠太の問いかけに、
悔しいが認めよう。
「そりゃ、ずっと一緒に居るし。口は悪いけど、根は優しいし、わたしがこないだ、ひどいこと言った時だって…」
(許してくれたんだ…)
「ずっと言おうと思ってたけど、真琴と離れるのが辛くて、言えなかったんだよ」
「…そうだね」
少し笑った。
自分のことを。



