[一、体重は計らない]


「あ、それから大事なこと忘れとった」


「なんですか‼」
(そりゃそうだ、こんなダイエット、あまりに適当すぎる)


「体重計、捨てて」


「え?」


「家にあるやろ?帰ったら捨てて。今、67kgなんが分かったで、もう用なし。次に計るんは一ヶ月後」


「じゃ、痩せてるか太ってるか分からないじゃないですか!」


「なんで分かる必要があるん?結果は一年後やで。あんたなんか、もうほぼ標準体重に近いんやけど、その間違ったダイエットの洗脳をとくのに時間かかりそうやわぁ〜」


「けど、けど途中で痩せてると、頑張ろうって気持ちになるし。励みにもなるし」


「そもそも体重は目安にはならへんのよ。体重が減っても、食事だけで痩せた場合、減ってるのは筋肉なんよ。脂肪は全く減ってないから、体重が軽かったとしても、見た目にはそんなに変わらへんしね。反対に体重が重たい人でも、スポーツしてる人は、筋肉で締まってるから、見た目には痩せて見える。計るんなら、きちんと体脂肪まで計らんと」


「じゃ、体脂肪を計れば」


「せやから一ヶ月後でええの、分からん子やな。数字に細かい女は嫌われるで!」