実が笑っている。


いつになく饒舌で明るく話す実を見ていて、わたしは確信した。


"実にバレた"


実が一番に見つけ、証拠隠滅に加担してくれたのだ。


自転車を押して歩く。


なんだか気まずく、愛想笑いと適当な相槌しか出て来ない。


パプリカを食べた。


あの"赤"はパプリカの赤だ。


でも…。


パプリカが、"血"にとって変わるのも、そう遠くないではないか。


それに…。


もう、あまり体重が減らなくなっていた。


体が慣れたのか、増えることはないが、ここしばらく停滞している。


それでもわたしは、吐き続けるだろう。


太らないために。


元に戻らないために。


もう、


自分の力では、どうにもならなかった…。