ツカツカツカ。


猛然と突き進む。


「おぅ、小デブチン‼」


アイツが軽く手を上げたが、それでもズンズン前進。


「俺様が居なくて寂しかっ……て、なんだ?おい、なんだよ!」


鼻と鼻がキスできるくらい間近に近づいたわたしに、一馬は思わず身をのけぞらせる。


寄り目のわたしたちは睨み合い、


「わたしのこと、好き?」


「な、なんだよ急に!さては、俺様とエッチがしたくなったか?」


冗談で逃げようとする、一馬の肩をグッとつかみ、また同じセリフを繰り返す。


「わたしのこと、好き?」と。


すると、わたしの真剣な思いが伝わったのか、一馬は姿勢を正し、


「ああ、好きだぜ。お前さえよけりゃ、俺とー」


「嘘ばっかし!」


肩を突き飛ばしてやった。


「みんな、嘘ばっかし!」


それだけ吐き捨てると、


来た時以上の勢いで、チャイムが鳴った校内に戻った。