友加里の目が、真っ直ぐ真琴の目を射抜く。


「うん」


一つ、頷いた。


「約束だからね」


「…うん」


「あんた、なんて顔してんのよ。梅干しでも食べたの？」


歯を食いしばるわたしは答えられない。


喋ると泣きそうだったからだ。


でも泣いてはダメ。


また先に泣けば、本当に卑怯だからだ。


まだダメ。


友加里が許してくれるまでは、絶対に泣いては、


「なら許す」


お許しが出たぁ～！


「ああ友加里～！ゴメン！本当にゴメン～‼」


塞き止めていたダムが、爆発して吹っ飛んだ。


「許して！わたし、わたし、傷つけて、本当にゴメン‼」


ワンワン泣き出した友に、友加里は優しく励ますでもなく、こう言った。


「泣くか謝るかどっちかにしなさいよ」