「だって友加里の大好物だし。それにおじさん、まけてくれたんだよ。早く風邪が治るようにって」


たこ焼きを差し出しながら言った。


「案外いいとこあんのね、あのネジリハチマキ。じゃ今度からさ、一人ずつ買いに行く?片方を病気にしといて」


「あ、それいいかも!」


そう笑ったが、
泣きそうだった。


"今度から"


なんでもない言葉が、胸を熱くする。


そして他にも熱いものは、


「なんでもいいけど熱いわね」


「だって焼きたてだもん。走ってきたのだよ、て、食べても大丈夫なの?」


既に一皿平らげた、


"た、確か胃腸風邪ではなかったですか?"病人を心配するが、当の胃腸が、


「あんた、別腹って言葉、知らないの?」


そう言われれば仕方がない。なんだか意味が違う気がしたけれど。


2人で三皿完食〜!


「美味しかったね」


わたしは微笑んだが、友加里は真剣な顔で、


「真琴、もうダメだよ」


「え?」


「もう、ダメだよ」