隣の席が空いている。


いつもそこは埋まっていて、いつもわたしに話しかけ、笑いかけ、時に悩みを聞いてくれ、それが当たり前だと思っていた。


なのに、隣に居ないだなんて。


欠席した友加里の席を何度となく見つめる。


風邪だと担任は言うが、きっと"嘘"に違いない。


「ハァ~」


大きくため息をついたわたしは、頭を整理したく、屋上に向かう。


昨夜はずっと携帯を握り締めていた。


メールで謝ろうかと思った。


・気まずくない
・手っ取り早い
・顔を見ずにすむ
・なんとでも打てる


そう思い、謝罪文を作成するも、肝心の"送信"ボタンを押すことはできない。


あまりに簡単すぎるから。


やっぱり、顔を見て自分の言葉で謝らないと。


友加里、


明日は来るかな…。