「友加里、先に行ってて」


隣を歩く親友に言った。次の授業は視聴覚室だ。


「ちょっとお腹痛くて」


「大丈夫?」


「大丈夫大丈夫」


わざと軽く言い、トイレに駆け込んだ。


いつもの如く、


1.誰も居ないか確認
2.個室に入り
3.便器に屈み
4.指を口に突っ込み
5.えづいたと同時に
6.水を流す


お昼に吐いたのだが、うまく吐けず、ずっと胸になにかがつかえているようだった。


苦しみながら、吐くものが胃液だけとなる。


7.便座に座り
8.一息つく
9.耳を澄ませていると
10.チャイムが鳴った


あまり遅いと怪しまれると思い、わたしはドアを開けた。


そこに、


友加里が立っていた。