「お疲れさまでした」


タオルで汗を拭きながら、実が水筒のお茶をくれた。


「あ、ありがと。かなり汗も出るし、結構な運動ね」


冷たいお茶に喉が喜ぶ。


「細井さん素質ありますよ」


「またまたぁ、おだててもなにも出ないわよ」


「ホントですよ。一緒にやりませんか?」


「でも…」


確かに楽しかったが、


わたしがテコンドー?


昨日までルールすら知らなかった。まぁ、今も分からないけど。


「汗をかいた後のご飯は格別ですよ」


これ以上の誘惑はない。


確かにお茶だって美味しかった。吐くために飲むのではなく、本当に体が欲しているからだ。


もしかしたら、今日の夕飯は美味しく食べれるかもしれない。


吐かずにすむかも…。