次は足技。


さすがに筋力のないわたしはバランスを崩し、フラフラしていたが、


・回し蹴り
・かかと落とし
・二段蹴り


実は鮮やかに決める。


まるで別人だ。


7年習っているらしく、


"どこ遊びに行くの?"というわたしを無視し、デートを餌に体験入門。


「では次に柔軟をしましょう」


講師が開脚するのを真似る。


テコンドーには体の柔らかさが必要とされる。


足を180°に開き、


体を前に倒すのね…。


ん?


首だけ上げる。


な、なに?


「ほ、細井さん、体、柔らかいですね!」


実が驚く。


「わたし、体だけは柔らかいのよ」


講師と張り合うように、自在に体を曲げていく。


だから皆が見てたんだ。


しまいに、パラパラと拍手がおき、床にベッタリと張りつく"軟体真琴"は、照れながらも悪い気はしなかったのだった。