ようやく見つけた‼


受付で一馬の病室を尋ねる。


久々のジョギングで、軽く2kgは痩せたのではないか。


息を弾ませ、病室に飛び込むと…。


「よぉ」


…包帯姿の一馬。


ベッドに横たわり、痛々しいギブスを腕に巻いている。顔中、アザだらけで笑うのも痛そうな一馬は、それでも笑った。


「ホント馬鹿なんだから‼」


一馬の胸を叩く。


「痛ッ!殺す気かよ‼」


「なんで、なんでやり返さなかったのよ!」


「なんでって、お前が言ったんだろうが、殴るなって」


「でも、そんなの、そんな……」


目から涙が溢れる。


「なんだよ、泣くなよ。約束ちゃんと守ったろうが。ホレ、ご褒美は?ホレ」


「もう知らない。知らないんだから!」


「んだよ〜、怒るなよ。泣いたり怒ったり忙しいヤツだな」


「心配したんだから!ホントに心配したんだから!」


病院で声を限りに叫ぶ。


すると一馬は声のトーンを落とし、


「…悪かったな」