今日もトイレに籠城する。


慣れた手順で、嘔吐を繰り返す。


だが、一つだけ言わせてほしい。


"分かっている"


吐いてはダメだ、と。


せっかくお母さんが、心を込めて作ってくれた弁当。わたしがまた弁当を作ってほしいと言った時の、母の嬉しそうな顔。腕によりをかけて、わたしの好物を朝早くに起きて作ってくれた弁当。


その母の愛情を吐き出すのだ。


胃の重みは軽くなるが、罪悪感は増すばかり。


"よく分かってる!"


それでもわたしは、吐かずにはいられなかった。


食べたものが胃に入り、身になり、脂肪になっていくことが、どうしても許せなかった。


許せなくなっていたのだ…。