「別れた彼氏の子らしいわよ」


「やだ~」
「産む気なんだ?」
「信じられな~い!」
「絶対に無理」


「そうよね。涼しい顔して、よく来るわよね。周りはかなり引いてるみたいよ」


夏美様の総評が終わると、次の話題へうつる。


「太ったっていえば、細井さん。凄い痩せたわね」


「でもダイエットやめたんでしょ?さっきも弁当二個も食べてたし」


「その割に元に戻らないと思わない?」


一様に首を傾げる女子たちは気づかない。


ボスの顔色が変わったことに。


「あなたたち、知らないの?」


不敵に微笑んだ夏美は、


大きく口を開け、その中に指を突っ込んだ。


声にこそ出さなかったが、その顔はまさに、


「オェー!」