「なんで、わたしが?」


「だって石川さん、前に僕が告白した時、10kg痩せたら考えるって」


「……ああ、言ったような気がするけど。やだぁ!本気にしたの?」


プッと吹き出す。


「まさか本当に10kg痩せたわけ?すごーい!」


手を叩いて飛び跳ねる。


「でもさ、そんなこと信じるほうがどうかしてるわよ。ただの冗談なのに」


冷たく言い放つと、"じゃ"と背を向ける。


呆然と立ち尽くす実。足元が震えているのが分かる。


・実の恋する気持ち
・実の頑張る気持ち
・実のなにもかも‼‼


それを側で感じて来た。


こうなったら当然、


「ちょっと待ちなさいよ‼」