待ち合わせの公園に向かう2人。


強い雨が降っており、徐々に押し黙る実といい、なぜか、わたしが胸の高鳴りがおさまらないではないか。


屋根つきのベンチに向かう。まだ彼女は来てないようだ。


「で、でもきっと大丈夫よ!小林君、頑張ったもん!彼女もきっと分かってくれるって‼」


「そうだといいんですけど……あ、来たかな?」


「わたし、向こうに行ってるから‼」


「ここにいて下さい!」


手首をつかまれる。


「ちょ、なに言ってんのよ!ダメよ!おかしく思われるじゃない‼」


「で、でも…」


「男らしく告白するのっ!」


手を振り払い、わたしはベンチの裏に身を屈めた。


少しずつ近付いてくる、


小林君の憧れの"彼女"。


小林君が好きになり、あれだけ頑張る原動力となった。


きっと素敵な彼女に違いない。


素敵な…。


「ちょっと一体なんの用よ‼」