指定された駅前で待つ。


細井真琴、二回目のデート。


あまり首を伸ばすと、アイツにからかわれるので、目だけを忙しなく右に左に。


ん?


一台のバイクがロータリーに。


両手全開、足もおっぴろげ、オレ様バイクが目の前に。


「おぅ、乗れよ」


ヘルメットが突き出される。


屋上とはまた違った、男らしさだった。


「なに突っ立ってんだよ?俺様が免許持ってることに驚いたか」


ヘルメットに苦戦するわたしに向かって、得意気に言うので、


「よく免許の試験が受かったわね」

「んだとぉ‼」


ガンッ‼


「痛ッ!だから頭突きやめてよ‼」

「さっさと乗れ!」

「分かったわよ‼」


足をおっぴろげ、バイクに跨ったのだった。