咄嗟に追いかけた足が止まる。


朝倉の背を、裕子が軽やかについていく。


"わたし、ストーカー気質なのかしら?"


恋をすると別の自分が現れる。


結局、あとをつけた。


2人は階段の踊り場で、なにやら真剣な顔で話している。


暗がりでよく見えないが、楽しい話ではないようだ。


"揉めて別れてしまえ!"


心の悪魔が囁いた、


その時‼


「え…」