自宅周辺…クリア!
通学路……クリア!
校門………クリア!


わたしは身を屈め、
下駄箱から教室へ。


よし、居ない‼


止めていた息を吐き、肩の力を抜いて席につく。


「友加里、おはよう」

「あ、真琴。おはよう」

「あの子、昨日は家にまでついてくるんだから。ホント参ったわ。ようやく解放されたみたい」

「そうでもないわよ」


苦笑いの友加里。


大きな友加里の背中に、スッポリ隠れていたのだ‼


「細井先輩!おはようございます‼」
(朝からまた元気だこと)


「今日はお2人に、是非、見て頂きたいものがあって」


鞄からなにやら取り出す。


「なにこれ?巻き物?」


受け取った友加里。


卒業証書の筒のように丸まった紙切れ。


「いえ、ラブレターです」