やば!押しすぎた‼
朝倉の背中めがけて、真っ直ぐ突っ込む裕子。
目を覆ったが、
「は、は、初めまして!わ、わ、わ、わたしっ!あ、朝倉裕子、じゃなかった、す、す、す、すいませんっ‼」
深々と頭を下げた裕子は、こちらに駆けてくる。
お腹を押さえ、顔を歪め、大事なノートも放り投げて走っていく。
「ちょっと!どこ行くのよ‼」
慌てて追いかけ、トイレへ。
個室に閉じこもる裕子。
しばらくすると、シクシクと泣き声が聞こえてきた。
「ちょっと、ゴメンて。悪かったわよ」
「ち、違うんです。わた、わたし、好きな人の前だと、急にお腹が痛くなるんです」
「そうなんだ」
気の毒に、と、拾ったノートを何げなくパラパラめくる。
なによ、これ…。



