それからも裕子は、ノートを片手につきまとう。
トイレにまで、だ。
「もういいでしょ?私は朝倉先輩と、少し知り合いなだけ。私についてるヒマがあったら、さっさと告白してきなさいよ!」
「で、でも…」
さっきまでの勢いはどこへやら。
「あなた、告白したことないでしょ?」
素直にコクリと頷く裕子。
そんなことだろうと思った。
なぜなら、自分を見ているようだったからだ。いくら気持ちが高まっても、あと一歩が踏み出せない裕子の気持ちはよく分かる。でも、好きな気持ちだけが、もうどうしようもないくらい膨らむのだ。
と、その時!
角を曲がった先に、当の朝倉がいるではないか!
「待ちなさいよ‼」
逃げ出した裕子を捕まえ、互いに引っ張りあうが、いくらダイエット中でも、わたしに勝てるわけがないだろう。
「何事も挑戦よ‼」
裕子を突き飛ばした。



