「ちょっと、ついて来ないで‼」


階段を駆け上がりながら叫ぶ。


「細井先輩、ご飯食べないんですか?ダイエットですか?でもデータによると、ダイエットはきちんと三食食べ、適度な運動をしないと体重は減らないらしいですよ‼」


「うるさい‼」


屋上に飛び出した。


う~ん!


日課の伸びをする。腹が減ってても、これは気持ちいいのだ。


そして日課の、


「また来やがった‼」

「なによ嫌そうな顔して。本当は会えなくて寂しかったくせに!」

「ハァ?お前、マジ頭おかしいし」


掛け合いが始まる。


だが、今日は飛び入りゲストが。


「なんだぁ?そのメガネ」


一馬が、背中にしがみつく裕子を睨めつける。


ブルブルと震えが伝わり、


「ほ、細井先輩!あ、あんな怖い方とお知り合いなんですか?」


「大丈夫よ。噛み付きゃしないわ」


「俺は猛獣か‼」