しばらく動けなかったが、怖々、教室の入り口へと。


一体、どんな奴がわたしを…。


ソロリと廊下に首を出す。


そこに待っていたのは…。


"ど、どなたですか?"


「細井先輩ですよね?わ、わたし、一年の鈴木裕子です。ちょっと、顔をかして頂けないでしょうか?」

「顔?」

「いいから来て下さい!」


手を引かれ、薄暗い階段の踊り場へ。


"な、殴られる?"


凄い剣幕で怒っているようだが、全くもって面識はない。


お下げ髪に黒縁眼鏡、まさに学級委員という風貌の裕子は、


「朝倉先輩とどういったご関係ですか?」