「な、なんだぁ⁈」


「お父さん、嬉しかったと思うよ。そりゃ、すぐにでも一緒に働きたいところを、息子のためを思って突き放したのよ。そんなことも分からないの?」


グッと堪えている様子。


「ううん、分かってんのよね。お父さんに似て、頑固で照れ屋なだけ。お互いが意地っ張りなのよ」

「だからお前はお袋か‼」

「だから願い下げって言ってるでしょ‼」


そう言って笑った。


一馬も笑う。


二人して笑い合った。


「で、礼はなにがいい?」

「心からの[ありがとう]で結構です」

「じゃ、キスしてやるよ」


な、な、なんですとぉ‼