「俺はさ、どうせ頭も悪ぃし、こんなとこでボケッとしてるヒマがあったら、技術の一つでも覚えたいのによ、高校出ねぇと継がせないって抜かしやがって」

「へぇ~、お父さん好きなんだ」

「ば、バッカじゃねぇ‼あんなクソ親父!マジでボコボコにしてやんよ‼」


少し、ほんの少し、顔が赤らんだ。


だが、これ以上からかうのは危険だ。キレれば、手はつけられないだろう。


屋上を後にし、階段を下りる。


すると、


自分の気持ちまで盛り下がっていく。


[なりたいもの?]
[なにがしたい?]
[夢なんてある?]


いくら繰り返してみても、答えは出ない。


なぜなら、


考えたことがないからだ。


それも一度も。


考えることといえば、


・キャベツを減らそう
・あ~、走らなきゃ
・腹減った〜!